もう少し教えて、仏壇のまつり方

もう少し教えて、仏壇のまつり方

 日頃、檀家参りをしていてよく聞かれる質問の一つに仏壇のまつり方についてです。ここに挙げる例もその一つです。

 1年ほど前に、九州方面から正敬寺の近所に引っ越してこられ、お参りするようになったお宅での話です。

 いつものように、檀家参りを終え帰ろうとした時、その家の奥さんが、「少し聞きたい事があるのですがいいですか」とおっしゃいました。

そこで私は、「今日は法事がありますので少しだけなら・・・」と応えると、奥さんは、「お茶を用意しますから少し待っていてください」といって台所へ行き、お茶の用意をしてくださいました。

 さし出されたお茶をいただいていると、奥さんが「実は、お坊さんは、日頃は、仏壇の花は一つでいいとおっしゃいましたが、二つ(一対)にしてはいけないのですか」と静かな口調でおっしゃいました。

 私は、よくある質問だなぁと思いながら「浄土真宗本願寺派(本山 西本願)の作法では、日常の花は仏壇に向かって、左側に一つにするのが一般的なのですが・・・」と応えると、

 奥さんは不安げな顔をして「それでいいんですか」とおっしゃいました。
「どういうことでしょう・・・」と聞くと
「何故か、二つ(一対)供えないといけないような気がして・・」とおっしゃいました。

「ふたつでいけないという事はないのですが、普通は一つですね」とはっきり応えると
「仏壇を買ったとき、花瓶が一対あるでしょう。だからふたつかなぁと思って・・」

「花を二つ供えるときは、ローソクも一対にするのです。その場合、真ん中に土香炉(どごうろ)、右から花、ロウソク、土香炉これはちょうど真ん中、ロウソク、花になりますね。こういうまつり方は、一般的に法事の時に行われますが、平常時は、右から、ロウソク、土香炉、花というふうにまつりますね」

「ちょっとわかりにくいのですが・・・この紙に簡単に書いてもらえませんか・・・」
「いいですよ・・・簡単な図にすると、こんなふうになります。詳しくは、正敬寺のホームページの〚作法〛の項目を見て参考にしてください」

   阿                   阿
   弥                   弥
   陀                   陀
   様                   様

  金香炉                 金香炉

花 土香炉 ロウソク     花 ロウソク 土香炉 ロウソク 花

「これでわかりました。そこでもう一つだけ教えてください」
「どんな事ですか・・・」

「これ、土香炉ですよね。・・・」
「はい、ここでお香をたいてはいけないのですか・・・」

「はい、土香炉では線香のみです」とはっきり応えました。
「では、お香はどこでたくのですか・・・・」と不思議そうな顔をして聞かれました。

「土香炉の真上に、金で出来た香炉があるでしょう。それを金香炉(かなごうろ)と言うのです。そこに灰をいれ、香をたく時にすみを入れてたくのです」

「なるほど、わかりました。では、坊さんは、いつもお参りのとき、線香はねかして、土香炉に入れますよね。たててはいけないのですか・・・」

「浄土真宗本願寺派では、線香はねかして土香炉に入れます。それは、ご本山(西本願寺)では、熱香(ねんこう)といって抹香(まっこう)を土香炉でたきます。それを各家庭で同じように行うのは難しいのです。だから、それに習って浄土真宗では、線香をねかして土香炉でたくのです」

「わかったような気がしますが、とにかく、線香はたてないのですね・・・」
「はい、簡単な説明でもうしわけないのですが、この後、法事がありますので・・・」

「あぁ、そうでしたね」
「ホームページの作法の項目を見てもらってわからないことがあれば、また遠慮なく聞いてください」
「時間をとらせてすいませんでした。法事、何時からです」
「10時半からなんですよ」
「じゃ、後15分ほどですね。忙しいのに時間をとらせて・・・」
「いえいえ、それでは、これで失礼します」といって、このお宅を後にして、法事をされるお宅に急いだ。


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