ハンカチ王子から学ぶもの
今年の夏、世間の目が甲子園にそそがれた。その主役の一人がハンカチ王子こと、早稲田実業の斉藤佑樹投手だ。いくたびかの逆転劇、決勝戦での引き分け、そして再試合など一人で投げぬいた姿に人々は感動したのだろう。そして、ハンカチで汗をぬぐう姿がすがすがしさをよんだのではないかと思う。
テレビでその姿を見ていると、ピンチの時でも冷静に対応してのりきっているようにみえ、その姿が強く印象に残った。
新聞記事やテレビの解説によると、もともと感情を表に出すタイプだったようである。
しかし、一昨年の予選敗退の時、「おまえがそこで感情をだしたところで何になる」という指導を監督から受け、それ以降、斉藤投手はその指導を守り、マウンドでは自分の感情に封印したらしい。
私たちの日常生活をしていく中でも同様のことが言えるのではないかと思える。例えば、自分に対して誰かが苦言を呈したとする。多くの場合、そのことに対して憤りを感じることが多い。
また、時には、怒鳴り返すこともあるだろう。しかし、よくよく考えてみると、腹を立てて憤りを表に現すか、腹を立てず、さらりと聞き流すかはこちらしだいである。むろん、腹を立てないで冷静に対応するのが言いに決まっている。しかし、現実にはそうはいかないことが多い。
私たち浄土真宗の僧侶の立場で考えてみると、たえず、阿弥陀さまのお慈悲の中で日々をおくらせていただいている。その中で、少し腹がたったからと言って、感情を表に出したときなど、「あぁ、またか」とか「はずかしい」と自分を振り返る機会が与えられたと考え反省する。
斉藤投手のマウンドの姿のように格好よくはいかないが、その姿から私たちが学ぶべきものがあるのではないかと思う。
